私は精神科訪問看護師として働いていたのですが、主に引きこもりの若い女性を多く担当していました。彼女たちの多くがASD(自閉症スペクトラム障害)の診断を受けていました。
その中で彼女たちの悩みで私も一致することが多く、もしかして自分もASDなのではないか。と思い始めたのがきっかけでした。
私が主にASDの特性と一致することで特に困っていたのは
- 急な予定変更が苦手
- 想定外のことが起きると頭が真っ白になる
- 社交辞令やお世辞、冗談がわからない
- 話の流れから相手の言いたい事や意図がわからない(そのため1つ1つ真剣に話を聞き覚えていないと話が分からなくなるため消耗し疲れる)
- ひとつの言葉が気になるとそれに固執しもやもやして眠れない
- 白黒思考(0か100か)
- 人との距離感がわからない
グレーゾーンといわれた経緯
その後それらのストレスからかうつ病が再燃し、精神科を再受診して休職、退職しました。
うつ症状が少しマシになってきた時に主治医にこの経緯を話し、心理検査を受けることになりました。
AQ・CAARS
まずは、AQ・CAARSというASD(自閉症スペクトラム障害)ADHD(注意欠如多動性障害)のスクリーニング検査をしました。
結果AQが32点。(33点以上で「自閉症スペクトラムの傾向が強い」)と解釈される。
CAARSがほとんどが平均でADHD傾向はありませんでした。
その後WAIS-IVという知能検査をしました。
WAIS-IV
WAIS-IVは16歳以上の青年及び成人の知能を測定するための心理検査です。
これがいわゆる発達障害の凸凹と言われる数値が出るものです。
結果
全検査IQ | 言語理解 | 知覚推理 | ワーキングメモリー | 処理速度 | |
合成得点 | 107 | 104 | 109 | 97 | 105 |
記述分類 | 平均 | 平均 | 平均 | 平均 | 平均 |
という結果でした。このように多少の凸凹はありますがほぼりませんでした。
以上の検査と、私の話から医師が総合的に判断してASDではないと言われました。
そこで「これはグレーゾーンってことですか?」と尋ねると「はいそうですね」と言われました。
感じた不安・安心・これからの考え
この診断の後から生きやすさを考えるためにカウンセリングを勧められ月に1度受けるようになりました。まだ4回しか受けていないので効果はわかりませんが毎回話やすくて的確なアドバイスをくれるといった感じです。
診断がされないとそれに対する支援は受けられません。ただ確かにそれに対する支援を受けるほどではないからグレーゾーンなのかなとも思いました。
現在は療養中なので悩みは少ないですが今後働くとなった時の不安は大きくなりました。
療養中の今でも困っているのはこのふたつです。
- 話の流れから相手の言いたい事や意図がわからない(そのため1つ1つ真剣に話を聞き覚えていないと話が分からなくなるため消耗し疲れる)
- ひとつの言葉が気になるとそれに固執しもやもやして眠れない
なので私は主人に相談しながら考えや気持ちを整理しています。話を聞いてくれるのでとてもありがたいです。
同じような人へのメッセージ
診断がすべてではありません。自分の特性を知って自分にウソをつかず無理なく生きていく材料にするためには一度病院で相談して検査をするのもありかなと私は思います。
困りごとが多くもしかして発達障害なのかも、ともやもやするくらいなら受診してはっきりさせるのも良いかなと思います。
今は精神科・心療内科の受診へのハードルも下がっています。私もはじめは行きづらく何度も迷った末にこころの限界を迎えやっと受信しました。
でも、もっと早めに受診していたらここまで悪化しなかっただろうなと今思っています。
「生きづらさ」の理由が少しわかった安心感
今まで中学生から漠然とした生きづらさを抱えて生きてきましたが、ASDグレーゾーンとわかりとても腑に落ちました。
そのおかげで自分の努力不足とかこんなんじゃだめだとか自分を責めることが少し減りました。
これは大きな一歩だと思っています。新たな人生の始まりと言っても過言ではありません。
まだ診断されてから半年も経ってないのでこの現実を飲み込みきれてはいませんが、少しづつ受け入れている実感があります。
この記事が少しでも気づきなりになり、どなたかのお役に立てたら幸いです。
最後までお読みいただきありがとうございました。